§2-1 ミュシャ ― ビョークのどこが好きなの?
アルフォンス・ミュシャ『イヴァンチッツェの思い出』1903
展覧会名:『ミュシャ展』
会場:森アーツセンターギャラリー
会期:2013年3月9日〜5月19日イヴァンチッツェ市は、ミュシャの故郷。
チェコ共和国東部に位置する。
原画はパリ時代に描かれた水彩画で、のちに市がポストカードとして発行した。
イヴァンチッツェ市蔵。
ビョークのコンサートに行ってきたよ〜。
独りで?
いちいち突っ込まないでくれる…。
そういえば昔から好き好き言ってたっけ。まあ、あんたみたいな人種の総元締めみたいな感じがするもんね。
私みたいな人間の総元締めかどうかはわからないけど、すごく好きだな。
ビョークのどこが好きなの?
一言でいうと「筋金のとおった、斬新なハイブリッド感」かな。
新作ごとにどんどん変わっていくミュージシャンが好きなんだけど、この人もいろんなジャンルの音楽を大胆に取り入れて、なんなく自分流にまとめ上げちゃう。正直あまりいいとは思えない作品もあるけど、いつも驚かせてくれるってだけでも応援したくなるんだ。
でもあの歌声は、ビョークってすぐわかるよね。
それがつまり「筋金のとおった」ということ。耳覚えのない電子音ばっかりの斬新なトラックのなかでも、あの人の声が一番きわ立つんだよね。いかにも人間の歌声って感じの、天真爛漫で、なまなましい声。
ちょっと聴いたことがあるだけだけど、デジタルで無機質な雰囲気のなかで叫んだりささやいたりしてて、なんか不気味だったな。それにあのビジュアルでしょ。
うん。一種のホラーだよね。誤解を恐れずにいえば、あの音と声とは、べつに調和していないのかも。どんなに奇抜な音でもねじ伏せて、引き立て役にしちゃえるんだと思う。ああいういかれた不可解さは、ちょっと他では味わえないよ。
それを生で体験してきたわけさ。
どんな感じだったの?
とりあえずオープニングは「サンダーボルト」っていう曲だったんだけど、檻に入れられた巨大電磁コイルみたいな物体(注:楽器です)が上から降りてきて、高圧電流をバリバリ放射させながら歌ってた。そのバリバリが視覚的に美しいし、ちゃんとメロディにもなってるの。
バカだねえ。
バカでしょ。でも、絶対にあの人にしかできないけどね。まあ今日はビョークがお題じゃないから、くわしくはまた今度。
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