§1-4 ラファエロ ― 自分が大好き、ええじゃないか
ラファエロ・サンツィオ『自画像』1504-1506
展覧会名:『ラファエロ』
会場:国立西洋美術館
会期:2013年3月2日~6月2日21〜23歳ごろのラファエロの自画像。
フィレンツェ滞在初期、
生家のあるウルビーノに帰郷したさいに
描かれたと言われている。
制作者が本人かどうか疑われていたが、
近年の科学的調査により、
ほぼ真筆であるとの確証が得られた。
フィレンツェ・ウフィツィ美術館所蔵。
自画像ってよくあるけど、
画家ってナルシストが多いのかな。
少なくとも絵を描いている自分は、好きなんだろうね。
フランシス・ベーコンみたいな自虐的にみえる画家でも、同じだと思う。
わたしも創作してると実感するけど、それくらい浸りこめないと長くは続かないよ。
このラファエロ君は、自信ありげだよね。
だよね。
実家に帰って暇だったから手慰みにちょっと描いてみたんだけど、悪くないでしょ?みたいな趣。
そういう背景も想像して楽しむわけですよ。
あとこの絵、首の描きかたがおかしくない?
三角形じみた首の絵は他にもあるんだけど、
これはとくにきわだって見えるよね。
画風のシンプルさと相まって、
2D感と3D感のミックスみたいな、不思議な効果をあげている。
面白くてさ、実物を右へ左へ動きながら観てみると、
首をひねって視線が追いかけてくるように見えたんだ。
ルネッサンスのラファエロというと、
すごく写実的な印象があるけど。
「写実的」にも、いろいろあるからねえ。
ミケランジェロと比べても、ぜんぜん違うし。
若くして技術は極めていたから、これからはどんどん実験するぞ!と
野心を煮えたぎらせていた矢先に、早逝してしまったのだとしたら。
まてよ、するとこの涙は……いや〜いいわぁ……。
長生きするよ、あんたは。
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