みぎわの夢十夜
世界は数字でできている
一を欠くと だれかが二を補完する
あたしはいつもはだしで歩く
言葉と沈黙の間は浅瀬の川岸
寺山修司『水妖記3』
この作品は、夏目漱石『夢十夜』にオマージュを捧げています。
バリエーションに富んだ10の物語は、一見まったく異なっているようで
登場人物・キーワード・小道具など、さまざまな要素がお互いに関連しあっています。
1話分がわずか140字で表現されたミニマルな世界観を補うために、
1話完結型の、11の外伝もとりそろえました。
ここでご提供しているのは、いわば濃縮還元されたエッセンスです。
ふつうの小説とは異なっていますが、「見えない」部分が多いというスタイルを
さまざまな解釈へと開かれた自由度の高い形式として、ぜひ積極的に受け容れてみてください。
部分的な妄想でもよいので、自分好みのこまやかなイメージを立ち上げる愉悦に浸ってください。
将来的には、想像のよすがとなるイメージイラストや、人物相関図も公開する予定です。
365話が出揃ったとき、どのような様相を呈するのか。
作者であるわたしにも正直、詳しくは判りません。
部分が全体を、全体が部分を意味づけながら成長し続けているマンダラノベル。
この世における存在意義を皆さんといっしょに見出してゆけたら、とても嬉しく思います。
淺川瑠未
*現在、部分的に134字の回があります。
もともと「#みぎわの夢」というハッシュタグを付けて、Twitter上にて発表していたためです。
順次6文字ずつ増量してまいりますので、あしからず御了承ください。